7月29日のNew York Timesで「血糖値はあなたのトレーニングを阻害するか?」(Is your blood sugar undermining your workouts?)という記事がありました。今回はその紹介です。

血糖値の身体への影響に関する研究というのはよくあります。そして血糖値の上昇は身体には良い影響を与えないということは周知のことと思います。体重増加がその良い例で、心臓病や2型糖尿病のリスクもあります。
また運動の分野でも影響があります。疫学研究では血糖値が上昇している人は有酸素運動が苦手ということは多くの文献でみられ、有酸素運動をしないグループはするグループと比べて寿命が短いという研究もあるので、血糖値と運動の関係というのは重要な分野となっています。
この記事によると、血糖値と運動の関連性については多く研究されており有意な関係がありますが、そのメカニズムは特定されていないようです。たとえば、高血糖症が先に起こり、運動状態が悪化するのか、それともその逆なのか、ということです。
それで、7月にNature Metabolismで発表された研究では、マウスと人の血糖値を上げて、運動した時に何が起こったかという研究があったようです。

この実験方法はここでは割愛させてもらいますが、結果としては高血糖症が原因で運動不足になるということのようです。
高血糖のグループとそうでない健康なグループの比較では、健康なグループのほうが、運動時間が高血糖のグループと比較して圧倒的に長く、回復も早いという結果でした。高血糖のグループは有酸素運動が苦手で、何日間経っても運動能力が上がらなかったようです。
その理由を理解するために筋肉の内部を調べたら、健康なグループの筋繊維は新しく、十分な酸素と燃料を運ぶ血管が多かったとのこと。逆に、高血糖のグループの筋繊維はコラーゲンの沈着がみられたようです。これは、硬い物質で血管内に付着するため血流が遅くなり、その結果、筋肉が運動に順応しないということになるようです。
この結果から、慢性的な高血糖値は持久力を著しく低下させるということになります。血糖値は私達の食事に依存していることからみると、糖分の取りすぎは筋繊維の低下につながり、よって運動能力が落ちて、結果持久力が低くなるということになるようです。
トライアスリートやトレイルランナーのように持久力をつけるいうことであれば、身体が順応する程度の糖質制限を行い、筋繊維を健康に保つことで持久力を上げるのは一つの試みかと思います。
まぁ、目新しい事実ではないですが、新しい研究結果は勉強になります。やはり食事に気を付けて運動を定期的にすることとが健康には良いということになります。
糖質制限をしている人や考えている人には良い研究だと思います。
私自身は別に糖質制限をしているわけでもなく、運動した日は好きなものを好きなだけ食べるようにしています。唯一の制限は外食をしないということと、加工食品は食べないということくらいでしょうか。ご飯もパスタもよく食べます。また脂肪分も沢山とります。例えば、アボカドやココナッツオイルやオリーブオイルなどからはかなり摂取します。
この先も、私は糖質制限を厳しく行っていくということは多分ないと思いますが、持久力が下がってきたと思ったら試してみるかもしれません。
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