10月23日に行われた、IRONMAN Californiaのレースの報告の続き、⑤です。今回はランのレポートです。
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バイクの180kmのコースで、半分の90kmという約4時間近い時間を秒速8km~11kmという向かい風と対峙してきたので脚力はかなり削られました。
また、スイムでの汚染された川の水から右目が炎症を起こし視界がぼやけるというハプニングにも見舞われ、かなり体力的にも精神的にも疲れトランジションに戻ってきました。
まずは梅干しを食べて体のリセット。梅干しは、私の家内の自家製の梅干し。天然の塩でつけてあるのでミネラルもばっちりとれるし、抗酸化に最適の食べ物です。

そしてすぐに着替えを行います。上はバイクジャージーを脱ぎ、ランが夜にもなることも考慮して一枚Tシャツを着て出発。キャップもサングラスもなし。
ランの出発が4時で、1時間もしないうちに日没になるので、お荷物になるサングラスはなしにしました。キャップも陽が沈むし、汗もかかないので必要なしの判断です。
走り始めて、脚の重さに愕然としました。だいたい、バイク後10分ほど走ると脚が軽くなってくるのですが、脚が全然軽くならない。いうなれば、マラソンで「30kmの壁」状態の脚でフルマラソンを始めるという感覚です。これは長い闘いになりそうだな、と覚悟を決めました。

走り出してしばらくしたら、太陽に向かって走るコースになり、ぼやけている視界に追い打ちがかかります。痛みはないのですが、光が飛び散ってよく見えないという精神的な追い打ちという感じです。
ただ、後1時間もしないうちに暗くなってくるので、目の負担はなくなると自分に言い聞かせ走ります。
各エイドステーションで水をこまめにとり、45分ごとにMautenのジェルを投入。オレンジやバナナも口に入れていましたが、段々と口が甘くなってきます。
1時間半ほど行くと、エイドステーションにポテトチップスがあったので、飛びつきました。塩と油が口に広がる感じに身体が喜んでいるのが分かります。普段は体によくないと敬遠しているポテトチップスですが、これほどまでに体が欲しているということは、時と場合によって食の取り方の取捨選択は大事なことと改めて思いました。

二回のエイドステーションでポテトチップスを食べましたが、さすがに消化の悪い固形物ですのでこの辺で辞めることにして、気持ちを入れ替えるために梅干しを投入しました。
この梅干しの塩味と酸味が体に喝を入れてくれて、元気になります。この時点で約半分の距離を終えました。日も沈みだいぶ暗くなってきて、ヘッドランプを点けて走ってくる人たちが増えてきています。これから温度もさがってきますし、エネルギー量も低下してくるので、かなりきついランになることが予想されました。
ランのコースの半分近くは、川沿いのバイクコースなので、コースもしっかりしていてわかりやすいですが、暗いと言うのがだいぶテンションを下げます。また向かって走ってくる人たちのヘッドランプのライトが、ぼやけている目に入ってきて飛び散るのでちょっと気になりました。

そんな川沿いのコースを終えて、残りの八キロほどは、サクラメントのダウンタウンの方に入って行きます。そんな頃にはもうすでに夜で、人も閑散としていています。街の中も暗い通りがあり、街道に応援してくれる人たちもいますが、とにかく足が重くなってきて辛い。
残りの五キロほどはゴール地点の周回コースです。二周することになるのでゴール地点の横を二回通ることになり、ゴール地点では、マイク ライリー(Mike Reilly)が you are an Ironmanというアナウンスが聞こえてきます。もう少しと分かりつつも体力は限界で脚もかなりきつくなってきています。
この周回コースの分岐点は分かりづらく、後のレビューではここでコースを間違えてもう一度コースに戻って走りなおしたりという人たちが多かったと聞いています。まあ最後に周回コースがあるというのはアスリートガイドにも書いてありますしコースをしっかりと事前に調査しておけばわかることなんですが確かに暗くて分かりづらいという印象はありました。
そんなことを考えつつ、二周をするとゴール地点に戻ってきてやっと終わりだという実感が湧いてきます。
これほどきついフルマラソンを走ったことはないというほど足は疲れましたが、ほぼエイドステーション以外では歩くこともなく、また足が攣ることもなく完走することができたのは良かったと思います。
ゴールをしてフィニッシャーメダルをもらい、体が冷える前に朝に預けておいた洋服を取りに行きました。すぐに Tシャツを着替えてジャケットを上から着ますが、急に足がガクガク震えてきたので下のトレーナーも履いてアスリートフードのセクションに行くことに。暖かい食事を身体にいれると体もだいぶ温まり、最後の力を振り絞ってトランジションまで戻りバイクやその他のものをピックアップしてホテルに帰ることにしました。
ホテルに戻ってくるとホッとしました。朝に出ていくときには、無事に帰ってくることを考えながらの出発でしたので、暖かい部屋に帰ってきて感慨深かったです。まずは、お風呂に浸かり疲れた身体を暖め、家内が作ってくれた鍋を食べました。身体が温まり落ち着いたのか、身体の緊張が無くなっていき、眠くなってきたので早めに就寝しました。明日は、またサンディエゴまでの長時間のドライブがあるので。
6か月にわたる長いトレーニングが無事にこのようにレースの完走という形で終えることができたので満足です。まだ2回目の完走ですが、今後の課題で明確になったところがあるのでまた気を取り直してトレーニングに励みたいと思います。
どうも有難うございました。
レース報告 完
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