今年の1月の記事になりますが、イギリスの「Runner’s World」に臀筋の働きとトレーニング方法が載っていたので少し紹介します。
マラソンで効率の良い走り方の話や、バイクで長距離走る時の方法として「お尻を使う」ということをよく聞きます。
この場合の「お尻」とは臀筋のことですが、この臀筋は走りにおいてどのような働きをしているのか、またそのトレーニング方法を(今更ですが)見ていきたいと思います。
臀筋
臀筋は、股関節を伸ばす主な役割を持つ大臀筋と、股関節外転 (足を横に出す) を担う中臀筋と小臀筋で構成されます。

臀筋の働き
臀筋は股関節の可動域を司っているので、動きと力の両方を生成するだけでなく、骨盤の周りの安定性も生み出す鍵となります。
この骨盤の安定性というのは走りにおいて非常に重要になってきます。走りは片足を出して着地させ、バランスを取りながら、上からの力をうまく反発させてまた前進していき、もう片方の脚に体重を乗せていくという動きの連続になります。
骨盤が安定していないと、足が着地した時に、力が骨盤に吸収され反発させにくくなります。
この片足で立った時のバランスや骨盤の安定に必要なのが、中殿筋になります。
中臀筋が弱い場合、梨状筋 (臀部の奥深くにある別の小さな筋肉) などの他の筋肉が変わりに働き、腰の高さを維持する必要がでてきます。この小さな筋肉を使い続けると、IT (腸脛靭帯)バンド症候群などの怪我につながる可能性がありますので、小さい筋肉を使わずに、比較的大きな中臀筋を使うのが必要になってきます。
また、中臀筋が弱いと、ランニング中に太ももが内側に回転し、膝が内側に下がり、膝関節と膝蓋骨に負担がかかり、膝の怪我につながる可能性があります。
臀筋を強化するトレーニング方法
それで、怪我を回避し速く走るためには臀筋を鍛えるのが有効になってきます。この中臀筋を含め、臀筋を強化するための有効なエクササイズは、グルートブリッジ(Glute Bridge)とのこと。
Runner’s Worldによると、「グルート ブリッジは片脚または 2 本の脚で行うことができ、大臀筋とハムストリングスの筋肉強化に有効」で 「大臀筋は股関節の伸展に重要であり、ハムストリングスは速いランニングスピードでエネルギーを蓄えたり放出したりするのに重要です。」とグルートブリッジの説明をしています。
グルートブリッジは、反復回数や保持時間に応じて、持久力や筋力を向上させるために使用できるため、優れたコンディショニングおよび怪我防止のトレーニングになります。
「グルートブリッジを長時間保持すると、走る時の接地時に使用されるアイソメトリクス(等尺性収縮)筋力が発達し、ゆっくりと下ろすと、速く走る時に使用されるハムストリングスにエネルギーを蓄えるエキセントリック(伸張性収縮)筋力が鍛えられます。
グルートブリッジのやり方

1.仰向けになり、膝を曲げ、足を床に平らに置きます。
2.膝から肩まで体が一直線になるように骨盤を上げます。
3.30秒間キープしてから、骨盤を下げます。
難易度を上げるには、片足を伸ばしてやってみてください。
私見
大きな筋肉群である、臀筋を使うのは、長時間を走る時には有効というのは理解しているのですが、私はまだそれをマスターしているとは言い難いです。マスターしているかどうかというよりか、未だに臀筋を意識するのが難しいということのように思います。
ですので、臀筋のトレーニングをすることで、その筋トレ特有の熱くなってくる感覚を覚え、意識しずらい臀筋を使っている感覚を養えるかもしれません。
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