こちらカリフォルニアではジムやプールが閉鎖されています。私も最後に泳いだのが3月14日だったので、もう1ヵ月以上泳いでいないことになります。
ランやバイク、また筋トレや体幹強化、そしてストレッチなどのコンディショニングはジムがなくても行うことは出来ますが、スイムのトレーニングはやはりドライランドでは限界があります。そうななると心配になるのがどのくらいのペースでスイムのフィットネスが失われていくのか、ということ。
スペインの運動生理学の博士でトライアスロンのコーチでもある、ムヒーカ博士の記事がTriathlete Magazineに掲載されていたのでちょっと紹介します。
トレーニングをしている人であれば、感覚的に解っていることですが記録として載せておきます。
水泳のフィットネスは、呼吸循環、代謝、および技術的な適応の組み合わせで成り立っており、水泳に必要な心肺機能のほとんどは、ランニングやサイクリングでも維持できます。しかし、上半身の筋肉の呼吸能力、ミトコンドリアの酵素活性、およびグリコーゲンレベルの低下が予想されます。
ノルウェーのアグダー大学(University of Agder)のステファン ザイラー(Stephen Seiler)教授によると、上半身の筋肉の維持は、 水泳エルゴメーターやゴムバンド運動などのドライランドトレーニングを通して、上半身の筋肉機能をある程度保持することができると言っています。されにランニングやサイクリングに加えて、これらのドライランドのエクササイズを週に3〜4回行うことを推奨しています。
ただ、これらのトレーニングはやはり実際の泳ぎと比較すると限界があります。先のムヒーカ博士によると「水泳トレーニングを完全に中止すると、泳ぎのパワーはほぼ即座にマイナスの影響がある」と言っています。1週間で約7%低下し、4週間で13%低下するとのこと。これは水泳のテクニックの低下に関連していて、同じスピードを出すのに、泳いでいないとストロークの回数が増加し、ストローク毎の距離が減少することで示されているようです。
これは筋トレをしていても、テクニックの減少は避けられないということです。トライアスリートのスイムパフォーマンスの改善は、生理学的適応ではなく技術的改善による可能性が高いということのようです。
ただ良いニュースとしては、スティーブン・ザイラー博士は、水の中での動きという特殊なトレーニングによって構築された神経筋経路はすぐには消えず、水に浸かるとすぐに戻ると言っています。
プールに行くと何回周回したか忘れるくらい泳ぐわけですので、そのようなトレーニングで得た感覚はすぐに戻るということのようで、長く泳いでいる人のほうがすぐに戻るとのこと。
ということで、私の水泳フィットネスはおそらくかなり落ち込んでいるのは確かですが、ランやバイク、そして筋トレによってある程度フィットネスを維持しつつ、プールが再開したら技術的な部分が少しでも早く戻るように努力しておきたいと思います。
私自身の経験からは、スイムがピークのパフォーマンスに戻るのは1ヵ月はかかるように思います。今年の1月から始めた4月の70.3 Oceansideに向けてトレーニングを再開した時はやはり1ヵ月はかかっていました。もっとも、かなりのブランクがあったので仕方がないと思いますが。
あと心肺機能をランやバイクで維持していても、スイムは違う筋肉グループを使うので実際に泳いでその筋肉の代謝が戻るまでは、苦しいように思います。
今後スイムのパフォーマンスが戻るのにどれくらいかかるか、という論文があれば読んでみたいと思います。
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