前回のVO2MAXの記事に続きまして、追加の記事です。自分もまだ勉強中なので、記録ノートとして掲載しておきます。
前回からの復習
アスリートがVO2MAXに関心を持つ理由としては、VO2MAXが高いということは、それだけ運動中に筋肉に供給できる酸素が増えるということなので、パフォーマンスの強度が上がり、スピードも速くなるということになります。
乳酸閾値とVO2MAX
乳酸閾値との関連で考えると、一般的にVO2MAXが高いということは、乳酸閾値も高いということになります。これは、乳酸が蓄積し、疲労がたまって運動を止めざるを得なくなるまでに、より長いパフォーマンスを継続できるということになります。
例えば、マラソンやトライアスロンのレース中に、「もう無理」という状態があると思いますが、これは体が無酸素性作業閾値(AT)と呼ばれる値を超えた時に経験する状態です。ATは有酸素運動から無酸素運動に切り替わる転換点で、乳酸が生成と除去のバランスが崩れ、血中の乳酸濃度が急激に増加するときです。この時、水素イオンも筋肉に蓄積され始め、その水素が二酸化炭素に変換され、二酸化炭素が増えるにつれて酸素が運ばれにくくなるという現象が起きます。そして、酸素が無くなってくると、全速力、もしくは同じ強度のパフォーマンスを維持できなくなるとなり、「もう無理」となるということです。
ですので、VO2MAXが高いということは、より効率的に体内で二酸化炭素を排出できるようになり、その結果酸素量も増え、筋肉の収縮運動・パフォーマンスを持続できるようになります。
心拍数とVO2MAX
VO2MAXの向上ということは、心肺能力の関係で考えると、肺が酸素をより効率的に取り込んで心臓や筋肉に送り出せるようになるということです。心臓が一回の拍動で送り出せる血液量が増えれば、安静時心拍が下がり、これはつまり心肺機能にかかる負担が少なくなるということになります。
American Heart Association (AHA)ーアメリカ心臓協会の論文、「Cardiorespiratory Fitness in Breast Canger Patients」(乳癌患者の心肺機能)で、乳癌に罹患した人は、罹患したことがない人と比較して心肺機能がかなり低かったという結果を報告しています。ここでの心肺機能とはCardiorespiratory Fitness(CFR)で、VO2MAX値を指標としています。
運動の健康に与える好影響というのは周知の事実ですので、運動により心肺機能が高くなるということを考慮すると、総合的な健康と心肺機能は重要な関係にあるというのはよく理解できます。また、アメリカ心臓協会によると、心肺機能が低いということは、喫煙や高血圧などよりも死亡リスクを予測する指標として有効だとしています。
私事
心拍数とVO2MAXということでは、私事になりますが、VO2MAXが上がっているのではないかという実感がスイムで感じるようになっています。スピードは上がらないのですが、同じ距離、例えば2000m泳ぐときに、通しで楽に泳げるようになりました。ここ数か月、呼吸法と筋トレをしっかりとしているので、その効果が出ているのではと思っています。
コメント