和魂洋才

VO2MAXの追加記事 その2 – サプリメントとVO2MAX

トレーニング
https://www.runnersworld.com/training/a35701347/is-a-high-vo2-max-good-or-bad/

前回のVO2MAXの記事に続きまして、追加の記事第2弾です。今度の1月のレースに向けて、VO2MAXの勉強中なので、その記録ノートとして掲載しておきます。最初の追加記事は以下のリンクからご覧いただけます。

前回からの復習

前回は乳酸閾値・心拍機能とVO2MAXの関係について書きました。一般的にVO2MAXが高いということは、乳酸閾値も高いといいうことで、また、心拍数との関係では、心肺機能が高いとVO2MAXも高くなるということでした。

トレーニングをするのは、VO2MAXを上げるには必然ですが、サプリメントとの関係はどうでしょうか?

今回のこの記事では、4つのサプリメントを取り上げていきます。

  • アダプトゲン
  • 炭水化物
  • ビタミンD

アダプトゲン

アダプトゲンとは聞きなれない言葉ですが、天然ハーブに含まれる成分のことです。Nikolai Lazarev博士はアダプトゲンを「体に悪影響を与える物理的、科学的、または生物学的なストレッサーを、非特異性の抵抗力を高めることによって撃退するもの」(1947)と定義しています。

アダプトゲン - Wikipedia

様々なストレスへの抵抗能力を高める作用のことで、天然ハーブに含まれている成分のことです。ですので、アダプトゲンというのは単一の成分ではなく、それぞれ天然のハーブに含まれる特有の成分ということで、そのハーブによってその成分は変わりますし、個人差によってその効用は異なってきます。

薬用植物は5000種類以上ありますが、その中でもアダプトゲンが含まれているのは20種類ほどといわれています。

アダプトゲンで、一番日本人の身近にあるのは抹茶です。抹茶はカテキンやビタミンCが多く含まれていて、体によいのは周知のとおりです。

その他の有名なハーブとしては、朝鮮人参や霊芝、マカや冬虫夏草、そしてアシュワガンダなどがあります。これをみてわかるように、漢方やアユールベーダなどに使用されているのがほとんどです。

数千年前の古代中国や古代インドで、これらの薬草の効用が既に認知されており、伝統医療の中で使用されてきてました。これらの効用が現代になってアダプトゲンとして認知されたのは、1940年代ですが、アダプトゲンの定義がされたのは1968年です。それらは:

  • 服用者に無害である
  • 様々なストレス因子に対して抵抗力を高める
  • 生理機能を正常化すること

これらは常にトレーニングから強いストレスを受けているアスリートにとって素晴らしい効用と思います。トレーニングによる身体へのストレスは、悪いものではないですが、しっかりとリカバリーして回復させないと怪我につながりますし、それ自体がストレスになります。ですので、トレーニングからの回復を高める抵抗力(回復力)の確保と、バランスが一時的に崩れた身体の生理機能を正常化してくれるこれらのアダプトゲンはアスリートにとっては非常に有用で、ひいてはさらなるVO2MAXの向上に役立つことと思われます。

鉄には、大まかに以下の効果があり、非常に重要なミネラルです。

  • 免疫システムを強化
  • 疲労を軽減
  • エネルギーレベルを高める
  • 精神的および身体的パフォーマンスを向上させる
  • 酸素の流れを増加させる

体内の鉄の主な役割は、酸素を身体中の細胞に運ぶことです。これは、2 つの重要なタんパク質、ヘモグロビンとミオグロビンの生成を刺激することによって行われます。ヘモグロビンは血管を通して酸素を運び、ミオグロビンは筋肉に酸素を届けます。

鉄分は酸素の流れをサポートする直接的な役割を果たしているため、最大酸素摂取量を増やす上で鉄分が重要なサプリメントであることは当然といえます。酸素の流れを効率よく増加させることで、パフォーマンスを向上させてトレーニングから最大限の成果を引き出すことができるようになります。

また、アスリートは鉄欠乏症になりやすいので、VO2 max を増やす増やさないにかかわらず、鉄分の補給には留意する必要があります。ただし、鉄分を大量にサプリメントから補給する場合は、事前に医師に相談することをお勧めします。

私は鉄分はビーツから摂取しています。私が調べた中ではビーツが一番効果的にそして安全に鉄分を摂取できる食べ物と思います。以前に、ビーツの記事を書いているので、興味のある方はそちらをご覧ください。

炭水化物

次は炭水化物です。あまりVO2MAXに関係しているとは思えないこの栄養素、実は非常に効果があります。

当たり前ですが、炭水化物、つまり糖分は体の主な燃料源です。VO2MAXのトレーニングは、短期で激しいトレーニングになりますので、糖分が主な燃料になります。

トレーニングは身体に多大なストレスを与えます。筋肉や心肺機能にストレスを与え、そこから回復していく過程で、VO2MAXの向上につながっていきます。

これらのトレーニング中、体はエネルギーを得るために筋肉と肝臓に蓄えられたグリコーゲンを消費します。グリコーゲンが消費されるほど、ストレスレベルは増加します。

グルコースやフルクトースなどの即効性のある糖を外部から摂取することで、このストレスのプロセスを大幅に遅らせることができます。グルコースとフルクトースを組み合わせて摂取すると、体内で効果的に消費でき、消化の問題を引き起こすことなく最大限の吸収が得られるため、特に効率的です。

トレーニング後の食事も大事ですが、トレーニング中のエネルギーの摂取も重要です。私も1時間半以上のトレーニングになるときはジェルを携帯しており、Mourtenを愛用しています。IRONMANのオフィシャルスポンサーで、割引が効きますのでこれを愛用しています。

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ビタミンD

ビタミンDは、骨や筋肉の発達に必要な栄養素というのは周知の事実ですが、ヴァージニア・コモンウェルス大学(Virginia Commonwealth University)の研究では、ビタミンDと心肺機能の関連性を発表しました。

European Journal of Preventive Cardiology (2019) に掲載されたこの研究では、研究者らは約 2,000 人の参加者の血液を検査してビタミン D レベルを測定し、心肺機能のマーカーである V02 max と比較しました。

Association between serum vitamin D levels and cardiorespiratory fitness in the adult population of the USA
AbstractAims. The small number of studies that have investigated the relationship between serum vitamin D levels and cardiorespiratory fitness (CRF) have report

実験では、これらの参加者はビタミンDレベルに基づいて4つのグループに分けて、各グループのVO2MAXの測定し比較しました。結果は、ビタミンDレベルが高いグループは低いグループよりも、VO2MAXが高い結果になりました。

ただこの研究著者は、「ビタミンDと心肺機能(VO2MAX)の間には関連性がありますが、ビタミンDレベルが高いため心肺機能が高いのか、それとも心肺機能が高いためビタミンDレベルが高いかは、この研究からは判断できない」としています。要は、高いビタミンDが実際に有酸素運動能力の向上につながるかはわからないということです。

しかし、ビタミンDは骨や筋肉に必要なので、気を付けて摂取することは必要と思います。もし自分のビタミンDレベルが解るのであれば、それを基に正常値かそれ以上にして、トレーニングに励むのは一つの方法かと思います。

結論

サプリメントは、直接VO2MAXを上げることにはなりませんが、トレーニングの質やリカバリーを促進することで、間接的にVO2MAXを向上させるのではと思います。

例えば、アダプトゲンの摂取でVO2MAXが上がるわけではなく、トレーニング後の回復に役立ち、次のトレーニングでしっかりと追い込めるというのが、結果VO2MAXの向上につながるという感じだと思います。

常日頃、トレーニング後に栄養をしっかりと摂取し、休みを取ることはパフォーマンスの向上には必要と思うので、これらの栄養素にだけ目を向けるのではなく、自分の身体と対話しながら、そして専門家から情報を得ながら、必要な栄養素を摂取していく必要はあると思います。

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