エプソムソルトを使用しているアスリートの方も多いと思います。私も週に一回は使用しています。
特に筋肉痛や、以前の落車での身体の打撲の痛みを直すために、エプソムソルトを入れたお風呂に入っています。
エプソムソルトは「ソルト」という名前がついていますが、塩の1種ではなく、海水に含まれる天然のミネラル成分の1種で硫酸マグネシウムのことです。
今回は、このエプソンソルトについてです。
エプソムソルトとは
エプソンソルトは、硫酸マグネシウムとしても知られており、マグネシウム、硫黄、酸素からなる化合物です。
その名前の由来は、最初に発見されたイギリスのサリーにあるエプソムの町に由来しています。「ソルト」と塩が名前についていますが、私たちが口にする塩とは完全に異なる化合物です。見た目が塩ににているので、「ソルト」がつけられたといわれています。
エプソムソルトはお風呂に入れて、「バスソルト」として入浴する方法が有効と言われています。経口で取るという人もいますが、苦みがあり、量を間違えると副作用があるという報告があります。
何百年もの間、このエプソムソルトは、便秘、不眠症、繊維筋痛症などの病気の治療に使用されてきましたが、その効果・効用の科学的研究は十分にされていません。
治癒の効果の理由の一つには、エプソムソルト内のマグネシウムが身体への影響があるとの考えがあります。現代は、多くの人がマグネシウム不足といわれ、その結果様々な症状がマグネシウム不足に起因しているとされています。ですので、報告されているエプソムソルトの利点のほとんどは、十分に摂取できていないミネラルでマグネシウム不足に原因があるようです。
現在、エプソムソルトはオンラインで、またこちらアメリカではほとんどの薬局や食料品店でみつけることができます。
使用方法
エプソムソルトの最も一般的な用途はお風呂で、お風呂のその湯量に合ったエプソムソルトをいれます。水に溶かすと、マグネシウムイオンと硫酸イオンが放出され、その粒子が肌を通して吸収されマグネシウムと硫酸塩が体に影響を与えるということなのですが、実はこれらのイオンが皮膚を通し体に吸収されるという確固たる証拠はないようです。
ただ一部の医療専門家や代替医療の専門家の多くは、エプソムソルトは治癒的な効果があり、多くの分野で代替医療として使用されていることは確かです。
エプソムソルトの使用とこれまで報告されてきた効果
このエプソムソルトに含まれている、マグネシウム。どのような影響が身体にあるのか見ていきましょう。
マグネシウムの働き
マグネシウムは体内で4番目に豊富なミネラルであり、そのうちの6割が骨や歯にふくまれています。そして、心臓を含む筋肉や神経系の働きに重要な325以上の酵素の活性化に関与しています。
このように人体の動きに重要な役目をもっており、アスリートには必要な栄養素といえます。
マグネシウムは歳を重ねる毎に減少していき、またストレス、飲酒、そしてカフェインなどで体内から排出、もしくは体内への吸収を妨げられるので、気を付けて摂取することが必要になってきます。
マグネシウムが不足すると、以下の症状が生じることがあります。
- 筋肉の痙攣
- 不整脈
- 精神疾患
- 動脈硬化症
- 骨粗鬆症
- 糖尿病
- 高血圧
しっかりと意識してマグネシウムを摂取する必要があるようです。
マグネシウムの供給
マグネシウムは体内で必要なミネラルの一つです。
マグネシウムは心臓と神経系の重要な働きに関与する325以上の生化学反応に関与しており、非常に重要なミネラルであることはわかりますが、多くの人は十分なマグネシウムを摂取していません。もし、仮に摂取しようとしていても、必要量を取れているかというのはかなりの疑問があるようです。ちなみに、マグネシウムが多く含まれる食材は以下です。

マグネシウムをサプリで経口摂取もよいですが、エプソムソルトを入れた風呂の入浴のほうが効果があるという専門家もいます。ただ、これらは科学的に証明されたわけではなく、未発表論文での研究で19人の健康な被験者を対象にエプソムソルトのお風呂に入った前後で血中マグネシウムレベルを調べたところ高かったという論文があります。ただ、この研究には対照群がなく、結論の根拠が疑わしいという評価もあります。多くの科学者はマグネシウムが皮膚から吸収されることに疑問をもっているのは確かですが、入浴の効果はあるようです。
ストレスの軽減と睡眠
入浴の効果といえば、ストレスの軽減と睡眠です。
マグネシウムレベルもストレスの軽減や睡眠の質を得るために必要です。マグネシウムは多くの生化学反応に関与しているので、睡眠を促進するホルモンであるメラトニンに影響を与えているという報告もあります。
例えば、医師であり睡眠の専門家であるクリストファー ウィンター博士は「The Sleep Solution」という著書の中で、マグネシウムはタンパク質を眠気を起こす化学物質に変化させていると説明しています。また、上記に書いたように心臓や神経系に影響するので、効果的に機能するのを助けるといっています。
マグネシウムは筋肉をリラックスさせる効果もあり、神経伝達物質GABAの機能を高めるので、不安感を低減させ、よってよく眠れるのだと説明しています。
もし、マグネシウムが入浴でも摂取できのであれば、筋肉をリラックスさせ、暖かい温浴との相乗効果で心もリラックスでき、入眠への効果は高いのではと推察されます。
運動パフォーマンスと回復
運動の後に、疲れの軽減や回復のために入浴するアスリートの方は多いと思います。また、温泉などで湯治をする人もいると思います。温泉は、「温度が25度以上であるか、ある物質が決まった量含まれている」と法律で定義されています。この物質、もしくは成分が身体に良い影響を与える一つの理由だと思うのですが、エプソムソルトの入浴もこの類です。
エプソムソルト入浴すると、筋肉痛を軽減したり、痙攣を和らげたりする効果があると報告があります。私も使用者として、効果があると思います。筋肉の修復(回復)やリラックスは、トレーニングやパフォーマンスにおいて重要なことはいうまでもありません。
マグネシウムは、体がブドウ糖と乳酸を使用するのを助けるので、適切なマグネシウムが運動に役立つことはよく知られています。
ACSM’s Health & Fitness Journal: January 2008 – Volume 12 – Issue 1 – p 33-35

先に書きましたが、我々が肌からお風呂のマグネシウムを吸収する科学的証拠はありません。ただ、多くの人が、体験的にエプソムソルト入りの入浴のほうが、筋肉の回復が早いということはよく聞きます。私自身も、そう感じますし、体の保温効果も高いので効果がゼロということはないと断言できます。
痛みと腫れの軽減
トレーニングをしていると、どうしても痛みや腫れを経験することと思います。入浴の効果は、痛みや腫れを軽減するという報告もあります。多くの人が、エプソムソルト入浴をすると、繊維筋痛症や関節炎の症状が回復するといっています。これらの症状はミネラル不足の人たちに多いので、マグネシウム不足が原因ではないかと考えられています。
ある研究では、塩化マグネシウムを皮膚に塗布することが症状の軽減に有益である可能性があると結論付けています。ただ、この結果はアンケートに基づいており、対照群がないのであくまでも参考ですが、エプソムソルトの入浴効果の有効性を考えるにはよい研究ではと思います。

安全性と副作用
エプソムソルトは一般的には安全ですが、経口摂取する場合には、量を間違えると危険な場合があります。その一つには、硫酸マグネシウムは下剤効果があるので、大量に摂取すると下痢、膨張感、または胃のむかつきを引き起こす可能性があります。下剤として使用する場合は、消化器系の負担軽減のために、水を沢山飲むようにしてください。さらに、医者に相談することは当たり前ですが重要です。
マグネシウムの過剰摂取にはいくつかの報告がされており、症状には心臓の問題などがあります。

また、不整脈や昏睡などのまねく報告もあります。

エプソムソルトのパッケージに記載されている適応量を摂取する分には、問題ななさそうですが、もしアレルギーやその他の重篤な副作用が出た場合は、すぐに医者に相談する必要してください。
まとめ
激しいトレーニングをしているアスリートは、マグネシウム不足になっている可能性があります。また、トレーニングの疲労から回復するのも重要であり、エプソムソルトを入れた入浴は様々なこれらの問題を解決してくれるように思います。
エプソムソルトにはマグネシウムが含まれており、それを溶かしたお風呂に入ればマグネシウムが皮膚を通して吸収されるといわれています。残念ながら、これらの効果は科学的に証明されているわけではないですが、体験的に多くの改善の報告が挙げられています。
また、暖かいお風呂に入ることによって、その疲労から回復するのは周知のとおりかと思います。
近年、マグネシウムの不足が注目されていてるので、意識的にマグネシウムを取ることは重要です。マグネシウムは心臓や神経系に携わる酵素の働きに関与するとのことですのでその大切さは理解いただけるかと思います。
マグネシウムを含む魚や果物、野菜、豆腐などを食べることで摂取できますが、エプソムソルトの入ったお風呂に入浴することはリラックスもできますし、個人の意見として疲労の回復にも良いように感じますので是非機会があれば試してください。
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