アメリカのNick Bareという人がIRONMAN 140.6 Floridaを11時間28分で完走しました。
この11時間28分というのはロングのレースでは特別に凄いタイムではないですが、何が凄いかというと、トライアスロン初心者で、なおかつ5ヶ月のトレーニングでこの時間で完走したということです。
もっとも、トライアスロン初心者といっても、実はこの人はウェイトリフティングの人で、どちらかというとクロスフィットのタイプの人ですので、トレーニングとしてはかなりの上級者といえます。
ただ、やはりウェイトリフティングとトライアスロンとでは、エンデュランスのトレーニングという意味では全然違います。脚は大分出来ているとはいえ、スイムは全く駄目だったらしく、トレーニングを始めたときに25mをぎりぎり泳げるというレベルだったようです。
そういう彼がIRONMANに挑戦し完走したというYouTubeを見ました。最近、IRONMAN関係やRoad to Konaなどのビデオをみていたので、彼のビデオがお勧めとして挙がってきていたのです。
そのビデオを観て、凄いなぁ~、と思いつつ、またYouTubeを探っていら、TriathlonTalenがこのNick Bareについてのビデオをあげていたので、見てみました。

Traiathlon Talenは以前から知っていて、IRONMANのロングに初挑戦したときに情報を得るのによく彼のYouTubeを見ていたのです。それで、そのNick Bareについてのビデオを観てみると、要はNick BareはTriathlon Talenをコーチにつけて練習をしていたということで、合点がいきました。
それで、この2人のPodcastがTalenのYouTubeに上がっていたので見ていて、面白いと思ったので以下に紹介します。
何をやっているかわからなくても、結果はついてくる。
Nick(以下:ニック)はIRONAMNが何かも知らずに、レースに登録。どれだけの距離をレースするのかも知らずに140.6に登録をしたらしいです。
そんな彼がトレーニングを始めて、プールで25mを泳いだ時に息が切れて、どのように3.8kmを泳げるのかと最初に頭によぎったらしいです。
また、初めてのブリックトレーニングで、1時間のバイクの後に10分のブリックランでは、ずっと脚が攣ってつらかったとのこと。
ただそれからは、何も考えずに必死にトレーニングをしていたらしいです。トレーニングの最中は自分のフィットネスレベルが把握しにくいですが、結果はしっかりとついて来るのだと実感したとのこと。
泳ぎの初心者がどのようにIRONMANで泳げたか。
テクニックを学び、リラックスして泳ぐこと。
特に、出来るだけ水に入って慣れることに意識をしたと言っています。彼のビデオをみても、プールで泳いだ後に、湖にいって泳いだりしていました。
要は水に慣れて、泳ぐ力を同時に付けていくということが、特に初心者には必要と言っています。
Zone2がベスト。
これまでニックは心拍を使用してトレーニングをしたことがなかったらしく、トライアスロンのトレーニングを始めてから心拍を使い、Zoneのレベルを知ったと言っています。
それで、エンデュランスのレースに関してはZone2に集中してレースを行ったとのこと。
レースでは常に冷静にいることが早いレースをできるということ
軍の言葉で、「ゆっくりとスムーズに、スムーズに動くことは力強さにつながり、力が速さを産む」という言葉があるらしいです。
上記のYouTuberのTriathlon Talen(以下:タレン)は、トライアスロンではペースが全て、と力説しています。これはどの距離でも同じで、スイムでリラックスして、バイクで力を入れていき、そして最後にランに挑戦する。もし、しっかりと自分のペースでレースができれば納得のいくレースができ、結果がついてくると言っています。
ニックはスイムも調子がよく、自分の予定よりも数分早く終えました。
バイクも全然調子が良かったとのこと。あまりにも調子が良いので、50km時点でペースを上げることにして、100kmの地点でもまだ全然脚に力があるので、そのペースをキープしていったと言っていました。結局、そのままバイクが終わり時間5時間48分で終了。
そしてランの前半までは凄い調子が良かったらしいです。問題はそこからだったのですが、それまでのレース展開は自分の体調とペースを冷静に客観視しての結果だったと言っています。
どんなにトレーニングを積んでもレースの最後の数時間はつらい
ニックはスイムもバイクもかなり調子が良く、ランも20km地点までとても調子が良かったらしいです。しかし、本当に苦しかったのは最後の20km。頭が下がり、前のめりになりほぼエネルギーがない状態で走っているのが映像から解る。。
ランの序盤では、沿道からYouTubeを観ているよ、と声をかけてくれる人達に声を返していたけれど、後半は声もでず無視をしていたとのこと。
タレンは、トップアスリートでも、どのAGの選手に聞いても、最後はつらい。これはどれだけトレーニングを積んでも、最後は自分との闘い。タレンは色々なアスリートとの話の中で、コース記録を出した人でも皆同じことを言っていると力説していました。
痛い目をみるというのは今後のトレーニングにおいて、またレースにおいて大事。
ランの後半はやはりとてもつらくて、今後どのようにトレーニングをしていくかということが解ったと言っています。
どんなにトレーニングをしても最後はつらいのは皆一緒ということです。フィットネスレベルが上がると、レースの目標が上がっていくので、次のレースではそれはそれなりに苦痛はある。これに終わりはない。だけど、その苦痛はその後のトレーニングへの指標でどれだけトレーニングをすればよいかというのが解ったとのことでした。
色々なことに挑戦する。
ニックは毎日ジムに行って、重量を上げて体を大きくすることに集中してきたけれど、自分の専門分野から出て、何かに挑戦するのは大事と気が付いたと言っています。
トライアスロンをするのもよし、またマラソンやトレランなどでもいいので、何か自分がしたことのない分野について挑戦するのはとても大事と気づいたとのこと。これは肉体的にも、精神的にも、またスピリットにも素晴らしい影響があるとのことで、これがこのビデオの一番のメッセージでした。
まとめ
ウェイトトレーニングの選手であるニックがトライアスロンを始めたときは体重は100kgほどだったようです。その人がトライアストンに挑戦して、5ヶ月のトレーニングでロングのレースを11時間28分で完走しました。
レースの詳細は以下の通りです。
- スイム 1:17
- バイク 5:48
- ラン 4:04
そのレースの考察をタレンとPodcastをしており、ニックの観点から7つの気づいた点を話ていました。
最初の3つはトレーニングに関してで、トレーニングなどで何をしているか解らなくても結果はついて来るということ、泳ぎの初心者が泳げるようになった方法、そして心拍を取り入れたこと。
次の2つはレース中のことで、一つは冷静にレースを進めることの重要性と、2つ目は、どんなに練習しても最後は誰でも辛いということ。
そして、最後の2つはレース後の感想で、一つはレースでの辛さや苦しさは後のトレーニングに確実につながるということ。そして、最後に一番彼からのメッセージは自分の分野以外のことにも挑戦していくこと、ということでした。
ロングのレースって、レース自体も凄い経験なのですが、私にとってはそれまでのトレーニングが良い思い出になっています。今まで、達成したことのないゴールに向かってトレーニングをしていると、ある意味恐怖心などもありますよね。 そういう恐怖心や怪我や、様々なことを乗り切ってレースに臨むので、トレーニングとレースを含めると長い行程です。私はトライアスロンを始めて2年半でロングに臨んだので、そういった意味で5ヶ月という短いトレーニング期間には感嘆します。
このニックも元々身体ができていたということもありますが、初のトライアスロンをたった5ヶ月のトレーニングで11時間半で終えたというのは素晴らしいと思います。

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